それからは電話が鳴る事もなく、朝になっていた。
朝日で外が薄紫色になりはじめた頃、あたしは少しだけウトウトした。
しかしそのつかの間の安息は穂香の悲鳴によってかき消された。
「キャアアアアアア!!」
耳をつんざくような悲鳴に飛び起きたあたしはすぐには事態を把握できなかった。
一体目の前でなにが起こっているのか。
あたしの部屋でなにがあったのか。
理解するのに苦しんだ。
最初に目に入ったのは絶叫する穂香だった。
穂香は顔面蒼白でボロボロと涙をこぼし、口の端から唾を垂らして叫んでいた。
そして次に目に入ったのは、そんな穂香の腕を掴んでいる青白い手だった。
やけに細くて白く、そして長い手。
その手の先へ視線を向けると、古いスマホから出てきているのがわかった。
スマホの中の何者かが、穂香を引きずり込もうとしているのがわかった。
「穂香!!」
あたしは叫び声を上げ、咄嗟に穂香の腕を掴んだ。
「嫌っ! 嫌っ!」
朝日で外が薄紫色になりはじめた頃、あたしは少しだけウトウトした。
しかしそのつかの間の安息は穂香の悲鳴によってかき消された。
「キャアアアアアア!!」
耳をつんざくような悲鳴に飛び起きたあたしはすぐには事態を把握できなかった。
一体目の前でなにが起こっているのか。
あたしの部屋でなにがあったのか。
理解するのに苦しんだ。
最初に目に入ったのは絶叫する穂香だった。
穂香は顔面蒼白でボロボロと涙をこぼし、口の端から唾を垂らして叫んでいた。
そして次に目に入ったのは、そんな穂香の腕を掴んでいる青白い手だった。
やけに細くて白く、そして長い手。
その手の先へ視線を向けると、古いスマホから出てきているのがわかった。
スマホの中の何者かが、穂香を引きずり込もうとしているのがわかった。
「穂香!!」
あたしは叫び声を上げ、咄嗟に穂香の腕を掴んだ。
「嫌っ! 嫌っ!」