@YUMI KO

あたしはゴクリと唾を飲み込んでバッテリーの入っていないスマホを見つめた。


その、瞬間……。


2台のスマホがけたたましく鳴り始めたのだ。


1台の時よりも大きな音で、まるで輪唱するように鳴り響く。


「ちょっと……どういうこと!?」


混乱している中で、もう1台のスマホが鳴り始めた。


部屋の中にこだまする着信音が鼓膜を激しく揺るがしている。


あたしは思わず両耳を塞いでいた。


そうしていなければ頭が痛くなりそうな激しい音。


「やめて……やめてよ!」


涙目の穂香が3台のスマホを確認して呟く。


その画面すべてに【ユミコ】の文字が表示されている。


途端にエマの言葉が蘇って来た。


『電話に出なきゃ、何度もかかって来るよ』


「電話に……出てみる?」


あたしは青ざめている穂香へ向けてそう聞いた。


穂香は一瞬大きく目を見開き、それからスマホへ視線を向ける。


3台のスマホはまだ鳴り続けている。


出ない限り何度も何度も穂香の前に現れ、そして鳴り響くのだろうか。