「マキさん・・。
今日来たのは賃上げ交渉じゃありません。

お願いします、いい加減・・
“風”に会わせて下さい。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「会って直接お礼が言いたい・・。
それだけなんです。」


「・・・・・・・・・・。」


「これまで、マキさんと“風”が救ってきた人達の多くが、俺の事を“風”だと思い込んで、

涙を流しながら生ビールを頼んでくれました。・・でも・・・。」


「・・・それも・・・・
あなたの仕事の一つよ・・。」


「・・・・・・・。」


「私とあなたは・・表に立つ人間・・。
・・その裏で・・“風”は動く・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「・・サスケちゃん・・・。あなたの事を信用してないわけじゃない・・。

でも・・“風”に会わせるわけにはいかないわ・・。」


「やっぱダメですか・・。」



「・・どうして・・彼が“風”と呼ばれているのか・・話した事あった・・?」


「いや・・無いです。

でも、風のように【姿が掴めないから】ですよね?

マキさん以外、誰もその正体を知らない。

マキさんの口振りから“男”だっていうのは分かるけど・・

何歳なのか、
普段何をしている人なのか・・。」