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「痴漢をでっち上げる・・!?」

「そう!」


1時間目の授業を早速サボると、いつものようにリュウと2人で校舎の屋上まで登った。


ウチの提案を聞いて、リュウは分かりやすく目を丸くしている。


「電車乗ってさ、
誰かテキトーな奴の前にウチが立って、

“お尻触られた”って痴漢を訴えるの。」


「それで?」


「昨夜色々調べたんだけど、“痴漢”って言われたら男は絶対に負けるんだってさ。

それで、事件を明るみにしたくないから、

ほぼ間違いなく示談金を払って被害届を出させないようにするって。」


「なに?金貰えんの?」


「うまくいけば・・30万!」


「さ・・30万!?」


「リュウとウチとタクヤで、
1人10万だね!

ウチのお父さん、凄腕の弁護士だから、

ウチが号泣して、
“助けてパパ”って言えば楽勝だよ~。」