今の私はただ・・
誰かにすがりたかった・・。


記憶を取り戻して・・

一気の押し寄せてきた哀しみ、
悔しさ、怒り、やるせなさ・・


様々な感情を受け止めるのに、
自分一人の力では無理だった。





せっかく淹れてくれたアールグレイが飲み込めない・・。


そんな嗚咽を・・カスミと私の話を・・沖田さんはずっと目を逸らさずに聴いてくれた。







「・・・・・・・・・・・・。」


「・・・スッ・・スッ・・・・
ごめんなさい沖田さん・・。

いきなり来て・・
こんな重たい話を・・・。」


「・・・憎い・・・?」


「・・スッ・・え・・・。」


「あなた達を煽ったそのドライバー。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・・。」


「もじ・・許ざれるだら・・・。」


「・・・・・・・・・・。」


「殺じでやりだいでず・・。」


「・・・・そう・・・・・。」


「・・ウゥゥ・・スッ・・ヒック・・。」


「・・顔は見た・・・?」


「あの時は・・パニックになってて・・

“男”だとは分かったけど・・
ハッキリとは・・。」


「・・・ユキに親身になってくれた、
茨城県警の人の名前は分かる・・?」


「村田さんです・・。」