「そんなんじゃないよ。ただ、普通には話せるかな。そこは話していて楽かな」
「それはいいね!その人ってどんな人なの?」
「うちらと同じタメ。あたし達の学校の一駅前のA高校に通ってんだって」
「そうなんだ。あそこって頭いいとこだよね。もしかして真面目くん?」
「そうでもない。背は少し高めで、髪の毛も染めてなくて至って普通の男の子だけどね」

「そうなんだ。それにしても、まさか恵美加が連絡先交換するなんて驚いた」
「あはは。そう?」
「うん。断りそうだもん」
「まぁ意外と話したら楽しかったし、別にいいかなって」
「そっか!」

それから、あたし達は最寄りの駅に着くまで話をしていた。
そして、しばらく乗っていたら、駅に着いた。

ふいに自分の携帯に、新着メッセージが届いていた。
それは、賢斗からの「おはよう!」のメールだった。

「おはよ」
あたしも賢斗と同じようにメールを打ってから、携帯をポケットにしまった。