……8月の下旬…… ……2学期…… 夏休みが終わり、2学期の始業式があった日。 容赦なく強い日差しが照りつけて、蒸し暑い、学校の帰り道。 真依と潤、今日は部活動がなくて河川敷のそばをゆっくりとしたペースで歩き、小さかった頃の話で盛り上がっている二人。 「ねぇ、潤、覚えてる?」 「ん、──何を?」 「幼稚園の時にー……、」 「……幼稚園?」 「──もう、忘れちゃった?」 「何、みかん狩りの時の話?」 真依が「ちがう、ちがう」と少し笑いながら首を横に振る。