……6月…… 新緑が美しい季節になった。 バスケットボール部の部活が早く終わり、潤が鞄を持ったまま真依の家へいつものようにやってきた。 「約束のノート、持ってきた」 「ありがとう、たすかるー!」 二日前、真依は風邪を引き体調を崩して学校を休んでいた。 「俺、疲れてるから。寝てもいい?」 「うん、いいよ」 潤がすぐに床にごろんと転がり、静かに瞳をとじる。