Happy Birthday！～私の宝物～

「素敵な夢じゃん！真弥ならなれるよ、自信を持って！」

「2人とも合格おめでとう。愛音ちゃんも座り？私がおごるから、好きなの頼みな」

愛音は、私に微笑みかけた。2人のその言葉を聞いて、私は初めてかけられた温かい言葉が嬉しくて涙を流す。

「ちょ、真弥……大丈夫？」

私の隣に座った愛音は、私の背中を優しく撫でた。私は、愛音と花梨さんの温かさにさらに泣く。涙は止めどなく溢れ、私の着ている黒のワンピースに落ちた。

泣いている間、愛音は優しく撫でてくれた。やがて、涙が治まり、顔を上げると愛音は私に優しく微笑む。

「大丈夫？……何があったの？話してごらん？」

優しい愛音の声色に、私は戸惑いながらも家庭環境について話すことにした。

「……私の両親は、私の兄ばっか可愛がってて、私のことなんて見てくれないの」

私は、すべて話した。愛音と花梨さんは、私の話を無言で聞いている。

「……ずっと辛かった。どうして私だけ褒めてくれないの？って……一時期、自殺を考えていたことがあったんだけど……でも、花梨さんと愛音がいてくれたから、今、こうして生きることが出来ているんだ……でも、私の居場所が分からない……私は、生きていていいのかも分からないよ……っ」