Happy Birthday!~私の宝物~

そう言って愛音は、ゲーム画面を見せた。私と愛音は、同級生。愛音は私のいる地域の近くに住んでいる。

私と愛音が出会ったのは、1年前。ふわりが私を入れてくれたチャットのグループで話したのがきっかけ。

フレンドになり、3時間近くも個人チャットで話し込んだ。それからふわりと同じく、悩みをぶつけられる仲になっていた。

「何だか遠出したくなって、どこ行こうか悩んでいた時に、私が受験した大学のある町に遊びに行こって、思って来た」

「あ、そっか。2人は受験生だったね。結果はどうだったの?あ、私は川上 花梨。ふわりです」

「私は、受かりました!へぇ……あなたがふわりさん……」

「私は、就職するんですけど受かりましたよ。私は、村上 真弥。陽彩です」

私と愛音は、花梨さんの問いかけに自己紹介を混ぜながら言うと微笑んだ。

「え?どこに就職するの?」

「総合病院の隣にある老健です!」

そう言うと、2人は「老健?」と首を傾げる。

「介護老人保健施設と言って、介護が必要な方を支えて、利用者の自宅復帰を目指す施設のことです。私は、福祉科で色々と学んでるんですよ」

「へぇ~!すごい!物知りだね~……介護って大変なんじゃない?」

「はい。実習に行ったんですけど、大変だからこそ楽しいんだ、ということを学びました。私は、介護福祉士の国家資格を取って高齢者の方を支えるのが夢なんで……だけど、本当になっても良いのかなって不安で……」