「……」

私は、無言でご飯を食べ進めていく。残り3割になった頃、私はお腹いっぱいになった。しかし、私の手は止まらない。

お腹いっぱいで苦しいのに、私は食べ進めて完食した。

え？もう無いの……？もっと食ベタイナ……。

「ごちそうさま」

無理やり食欲を抑え、食器を片付け、私は自分の部屋に戻る。ゲームをすることなく、シャーペンを握った。絵を描くために。

シャーペンを握った時、何故か私の気分が一気に下がる。私は、持っていたシャーペンの先で腕を思いっきり引っ掻いた。

その痛みで、落ち込んだ気持ちが少し和らぐ。私は、何度も何度も引っ掻いた。

痛い……痛い。もっと傷つけたい。傷つきたい。

ヒリヒリする痛みが心地よい。私は、シャーペンを机に置くとスマホを持って布団に寝転がった。気分転換をするために。

『陽彩！イベント行こ！』

チャットの通知が来ていたので、ゲームを開き、私は気分転換に行こうと思って『良いよ～』と返す。

『パーティー組むから待っててー』

『りょーかい！』

そんな会話がゲーム内でされる。ゲームは、私の唯一の心の支えだ。

愛音とふわりが、私の悩みを聞いてくれるから。2人には、感謝をしてもしきれないぐらい、お世話になった。

私は、クエストに向かい、小さく微笑んだ。