連れてこられたのは体育館横の倉庫裏。

夜李くんのおかげで私は今からフルボッコです。


「チビのくせに何様?夜李と付き合えるとでも思ってんの?」

「あの微塵も思ってません·····」

「ウザー何その余裕。その顔崩してあげよっか?」


思ってないってば!!

なんて言葉は喉の奥に引っ込んでて出てこず。

目の前で腕を振り上げられとっさに目を瞑ったとき。


「やめろよ」


男の子の声がして、私は殴られずに済んだらしい。

そのまま手を引いて、その場から連れ去ってくれた。

夜李くんじゃないけど助けてくれた·····。

あれ?

この人同じクラスの·····。


「大丈夫?」

「うん。えっと·····ありがとう」

「いーえ。無事でよかった」

「聖〈ヒジリ〉くんだよね?」

「あー知ってたんだ。よかった」


頭いいから知ってるよ·····。