夜李くんと出会った時から心臓いくつあっても足りなくなったじゃん·····。

頭から湯気でも出そうなくらい血が上っていると、なぜかまた夜李くんの顔が近づいてくる。

とっさに目をつむり、顔の前で手を交差させガード。

ゆっくり目を開け、隙間から見えた夜李くんの顔は不服そう。


「つまんね」

「へっ?」

「他の女当たろ」

「だっ·····!」

「だ?」


ダメ·····って言いそうになった。

どこにも行って欲しくないって思っちゃって。

わけわかんないよう·····。

夜李くんは私の感情をぐちゃぐちゃにさせます。

適当に言葉を濁して、私は夜李くんより先に家に向かった。

ソファは夜李くんに占拠されたので、私はテーブルでアイスを頬張る。

自然と夜李くんの後ろ姿を眺めていると、パッとこちらに振り向くからびっくり。


「熱い視線送られてウザい」

「熱くないですっ」

「キス足りなかった?」

「いらないですっ」

「強情なやつ」


ほんとだもん·····。