私をどうしても犬にしたい夜李くんは、目の前の席に座って腕と足を組む。

見られてると食べれないんですけど·····。

なんて思いが夜李くんに伝わるわけでもなく。

早く食べろと急かされて、私はナイフとフォークを手に取った。

そして1口食べた時、夜李くんがふっと笑った。


「よし、俺の言うこと聞けよ」

「へっ!?」

「食べただろ。ただおいしく食べられるとでも思ったか」

「いや〜·····」

「俺のこと絶対好きになんなよ」


わりと真面目にそんなことを言う夜李くん。

拍子抜けです。

もっと恐ろしいことでも言われるのかと思ったもん·····。


「お前は普通の女と違うんだろ?」

「うん、私夜李くんのこと絶対に好きにならないよ」

「ま、せいぜい頑張れば?」


鼻を鳴らすその自信は夜李くんだからこそ出てくるんだろうけど·····。

私は強引な人はイヤです。