寝顔が整いすぎている夜李くんはビクともせず眠り続けている。


「眠り魔王だ·····」


ボソッとそんな悪口をつぶやいたものだから、夜李くんは薄らと目を開けた。


「おい、なにしてんだよ·····」

「えっと·····これはですね·····」

「寝込みを襲いに来たって?」

「そんなことは断固としてありません!」

「苦しい言い訳なんてやめれば?」


で、デジャブだよおおおおお!

腕を引かれたと同時に景色が180度変わって、背中にはフワフワのベッド。

目の前には夜李くんの端正な顔があって、あの保健室での出来事を思い出させる。

反射的に私は顔を背け、耳元にはふっと軽く笑った声が届いた。


「なに?また俺がキスでもすると思った?」

「へ!?おも、思いません!」

「ふーん?」

「ひゃっ!?」


ちょっとーーーーー!!

く、首元で何してるんですか!?

一瞬柔らかいものが当たった気がしたのは気のせいじゃないらしく。

夜李くんが私の首元にキスを落としていた。