ー晴成sideー
これぞ、棚からぼたもちって感じだな、と瑠偉達と言い合う響を見ながら思う。
夜叉の残党が襲ってこなきゃ、響をウルフに引き入れる事なんて到底出来なかった。
今回はいいタイミングで来てくれたあいつらに
感謝だな。
しかし、響があれほど強いなんて思いもしなかったけどな。
あの蹴りは、昨日や今日の習得で出来るようなもんじゃねえ。
それに、最後まで手を抜かずに息の根を止めるあの周到さ。
大した女だよ。
だから、ますます欲しくなる。
俺の隣で寄り添うのは響しかいねぇ。
そして、響の隣にも俺しかねぇだろ。
ウルフに引き入れるのは、まだまだ先だと腹をくくってたが、奴等のお陰で早まった。
自然と口角が上がる。
「思いもよらないチャンスでしたね」
いつのまにか近くにやって来ていた秋道が囁くように言うと、悪い顔をして目を細めた。
「ああ。このチャンスは逃がさねぇ」
狡いと言われても、もう譲らねぇ。
秋道が言うように、あからさまに響に俺達がついてることを知らしめりゃ、その辺の雑魚は手が出せねぇ。
その上、大っぴらに響の周囲を警戒も出来るしな。
どんなに強くても響だって女だ。
男に力業で来られたら一たまりもねぇからな。
俺の名の元に、響を守れるならそれでいい。
あいつは、そんなの気に食わねぇかも知れねぇけどな。
姫じゃなくウルフの兵隊として仲間になるだなんて、響らしいじゃねぇかよ。
守るよりも守りてぇ・・・そんな思いが響の瞳から見てとれた。
そんなあいつの瞳を見て、ゾクッとした。
自分より他人を守ろうだなんて、危ういんだよ。
響の闇がそこにある気がした。
「秋道、あいつの学校に通ってる奴で信頼できる人間をピックアップしとけ」
「もちろんです。すぐに探します」
秋道はそう返事すると、元の席へと戻ってiPadを操作し始める。
あいつを学校内で見守る目がいる。
そして、それは信頼のおける奴じゃねぇとダメだ。
人間は欲深く、他者に対しての妬みや嫉妬をあからさまに示す。
女ならば余計に。
そんな連中に響が負けるとも思わねぇが、あいつに悪意が向かうのを出来る限りは回避してやりてぇ。
特に響は煩わしい事が大っきらいだからな。
俺が俺の為に響を守りてぇ。
これぞ、棚からぼたもちって感じだな、と瑠偉達と言い合う響を見ながら思う。
夜叉の残党が襲ってこなきゃ、響をウルフに引き入れる事なんて到底出来なかった。
今回はいいタイミングで来てくれたあいつらに
感謝だな。
しかし、響があれほど強いなんて思いもしなかったけどな。
あの蹴りは、昨日や今日の習得で出来るようなもんじゃねえ。
それに、最後まで手を抜かずに息の根を止めるあの周到さ。
大した女だよ。
だから、ますます欲しくなる。
俺の隣で寄り添うのは響しかいねぇ。
そして、響の隣にも俺しかねぇだろ。
ウルフに引き入れるのは、まだまだ先だと腹をくくってたが、奴等のお陰で早まった。
自然と口角が上がる。
「思いもよらないチャンスでしたね」
いつのまにか近くにやって来ていた秋道が囁くように言うと、悪い顔をして目を細めた。
「ああ。このチャンスは逃がさねぇ」
狡いと言われても、もう譲らねぇ。
秋道が言うように、あからさまに響に俺達がついてることを知らしめりゃ、その辺の雑魚は手が出せねぇ。
その上、大っぴらに響の周囲を警戒も出来るしな。
どんなに強くても響だって女だ。
男に力業で来られたら一たまりもねぇからな。
俺の名の元に、響を守れるならそれでいい。
あいつは、そんなの気に食わねぇかも知れねぇけどな。
姫じゃなくウルフの兵隊として仲間になるだなんて、響らしいじゃねぇかよ。
守るよりも守りてぇ・・・そんな思いが響の瞳から見てとれた。
そんなあいつの瞳を見て、ゾクッとした。
自分より他人を守ろうだなんて、危ういんだよ。
響の闇がそこにある気がした。
「秋道、あいつの学校に通ってる奴で信頼できる人間をピックアップしとけ」
「もちろんです。すぐに探します」
秋道はそう返事すると、元の席へと戻ってiPadを操作し始める。
あいつを学校内で見守る目がいる。
そして、それは信頼のおける奴じゃねぇとダメだ。
人間は欲深く、他者に対しての妬みや嫉妬をあからさまに示す。
女ならば余計に。
そんな連中に響が負けるとも思わねぇが、あいつに悪意が向かうのを出来る限りは回避してやりてぇ。
特に響は煩わしい事が大っきらいだからな。
俺が俺の為に響を守りてぇ。


