「望月さんが捨て子ってさ、ガチなのかな?」 「あなたは信じてる?」 「みんながこんなに広めてるし……」 「しかも最近、望月さんどんどん暗くなってるよね」 「ほんとのことがバレたからじゃない?」 スカートを短く折った女子たちが、俺のところを横切った。 俺は、はぁー、と深いため息をついた。 受験生だっていうのに、噂のことばっかり気にしている。 受験より噂かよ。 どんだけ、受験に余裕があるんだよ。