恋愛は妄想でするのが一番です!!

あっという間に午後の授業は終わり帰りのHR。


「今日は英語の宿題があるので後ろから集めてくださーい」


園田君の一言でクラスのみんなは後ろからプリントを回していく。


中には持ってきてなくて焦ってたり、名前だけ書いてあとで難しくて解けませんでした、なんて上手い言い訳を考えてる人が大半だ。


「いくらなんでもこれじゃあ岡島先生も困っちゃうよね」

岡島先生は私たちの英語の先生。結構甘いところがある。女子の間ではオージー先生と呼ばれてちょっといじられキャラ的な存在だ。


「そうだよね、いくらオージー先生でもね」


ううう、会話が続かない。それに目も合わせられない。


なんとも思ってないんだろうな私のことなんて。


私は知っている。園田君はわたしにやさしいんじゃなくてみんなに優しいってことを。


その優しさが今の私にはちょっと痛い。


あーあ、私にだけ優しければいいのに。


「どうして?」


「えっ?」


何が?


……まさか、今の声に出てたの!?


「俺、前島さんだけだよ、こんなことするの」


「それってどういう……」


私がうろたえているところを園田君は逃さなかった。


私が持っていたプリントまで持ってしまう。


「だって俺がこの係選んだの、前島さんと2人になれるからだし」


えっ?は?ちょっ、現在混乱中。


不意に園田君が私に顔を近づける。


だめだ、カッコいいしか語彙が出てこない。


「へー、前島さんってこんな顔するんだ」


「な、何が?」


「顔、真っ赤」


確かに、心なしか頭が熱い。


「ねえ、どうして照れてるの、前島さん?教えてよ」


「むむー、知ってるくせに。イジワル」


満更でもない表情で頬を膨らませる私。


「………さん」


それを見て小馬鹿にしつつも顔を赤らめる園田君。


「……まさん」


ああ、明日も明後日も仕事はないかなー。


「前島さん!」


「はいっっ」


「前前、ぶつかるっ」


ゴチンという擬音が可愛らいいほどの衝撃的を受けその場に倒れ込む。


「大丈夫、前島さん?」


「勿論大丈夫、で……す……」


またやってしまったようだ私の妄想タイム。


私にだけ優しい人なんているわけがないでしょ。


園田君に罪悪感を覚えつつ、私はしばしの眠りにつく。


ああ、せめてお姫様抱っこしてもらって、保健室まで運んだことが後になってわかるみたいな展開が待ってますように。