「急いで!!早く!」

「こっちも来てくれ!」


慌ただしく行き交う人々

鳴り止まないいくつものサイレン

あちこちで黒煙をあげながら燃え盛る何台もの車

車から投げ出された拍子に打った頭、擦りむいた傷が痛む。

グルグルする視界に映し出された景色に冷や汗が背中を伝う。


「おい!大丈夫か!?」


すすにまみれた服を着た男の人が僕に問いかける。

そこから僕の目は何も写すことはなかった。