空中ブランコやバイキング、ジェットコースターにお化け屋敷、メリーゴーランドにゴーカートなど、たくさんの乗り物を風香たちは楽しむ。今日はいつもよりなぜかお客が少なく、それほど並ばずにたくさん乗り物が乗れた。

途中、風香が迷子になったり、五十鈴がスマホを落としたり、涼音の気分が悪くなったりとハプニングもあったが、楽しい一日となった。

「うわぁ!綺麗だね!」

「うん!別世界にいるみたい!」

目の前の光景に、風香と理子は目を輝かせる。目の前には豪華なフロート車が通り、華やかな音楽が鳴り響く。

パレードを最後に見ようという話になり、風香たちは熱心にパレードを見つめていた。まるで別世界に入り込んだかのように、おとぎ話の中にいるように、夢のような時間をパレードは与えてくれる。風香は遊園地の中でパレードが一番好きだ。

「綺麗……!」

風香は胸にそっと手を当てる。確か、幼い頃も父と母に連れられて遊園地に来たことがあったっけと風香は過去のことを自然と思い出した。