世界で一番美しいプレゼント

そう声をかけられ、振り向くと風香たちがよく話す一人がいた。高校二年生の東出龍(ひがしでりゅう)だ。手にはおいしそうなクッキーがある。

龍は料理が好きで、よくおやつを作って持って来てくれる。その味はおいしく、みんなから好評だ。

「うまそう!一つもらってもいい?」

風香たちがよく話す一人である高校一年生の田村五十鈴(たむらいすず)が星型に型抜きされたクッキーを口に入れた。

「うまい!みんなも食べなよ!すごくうまい!」

五十鈴は笑顔を見せ、龍に親指を立てる。龍は「ありがとう」と笑った。

「じゃあ私たちも!」

風香たちもクッキーを一つずつ手に取り、口に入れた。ふわりと優しいバターの味がする。

「おいしい!!」

風香たちは同時に言った。毒舌の広志も「……うまい!」と素直に言っている。

「そうだ!いいこと思いついた!」

理子が笑顔でみんなに言った。

「ねえ、今度の日曜日にみんなで遊びに行こうよ!遊園地とか!」