さてこれからどうしたものか。

作戦を練ろうと、寝る間も授業中も惜しんで考えてたある日。

「今日の当番は、課題のノートを集めて俺のとこ持ってこい」

矢高先生のその言葉にハッと頭を上げたけど時すでに遅し。

先生はおらず、なんと運悪く当番は私。

次から次へとみんなが私の机の上にノートを重ねていく。

それを持っていったのは放課後のことで。

あの日以来の遊佐ハウスに来ました。

手が塞がってドアが開けられないんだけど、また先生開けてくれないかな·····?

なんて淡い期待を胸にドアの前に待っていると、通りすがった担任の先生にドアを開けてもらえた。

「ありがとうございます」

「小さいのによくそんなに持てたな〜感心だ。内心あげとくよ」

こんなことで内心ってあがっちゃうの!?(あがりません)

気分ルンルンで失礼しまーすと部屋に入る。

あ、今日はコーヒーの香りがする。

ノートで視界が遮られているけれど、なんとか机まで運び終えた。

任務完了いたしましたよ!

「そ、それでは失礼いたします·····」

「待て」

「はいっ」

「そこにおすわり」

前に来た時と同じ椅子へ促され、大人しく座る私。

って、私は犬じゃないんですけど!?