あれから何も手につかない日々が続いて、大好きなお弁当の卵焼きを見ても箸が進まない。

なんの病でしょうかこれは·····。

「最近の小宵元気なさすぎ」

「老いたよね」

「うん、高校生の若さがない」

「はぁ·····」

「「·····まさか、恋してる?」」

これを恋と呼ぶなら、恋はなんて辛いものなんでしょうか。

なにも喉に通らなくて、なにも考えられなくなってる。

思い出すのはあの日の先生の言葉だけ。

頭の中を無限ループしてる·····。

その場にいたら自分自身がどうなるかわからなくて、勢いでその場を去ってしまったけど·····。

先生に対して失礼だったよね·····。

数学の時間も当たり前にやって来るけど、この頃なぜかうまく息ができなくなる。

余計に先生のこと見ちゃうし、声低いなあとか字が綺麗だなあとか、今までなんとも思ってなかった部分が見えてくるし。

先生と目が合いそうになると、前とは違う意味ですぐに逸らしちゃう。

だって目が合ったら心臓うるさいんだもん·····。

なんなのこれは〜。

「心臓移植しなきゃ·····」

「「小宵が壊れた」」

もう無理!!

どうにかしなきゃ!

でもどうしたらいいの!?