「松田さま!こいつ愛莉さまを
連れさらってた奴です!」
「昨日、施設からずっと愛莉さまを
連れまわしてました」
「ほぉ…。私の愛莉を誘拐したのか。
それは警察に叩きつけてやらんとな…」
「なっ…」
「ふざけんなっ!!!」
俺の腕の中で叫ぶ雪。
「愛莉?」
「愛莉なんてきやすく呼ぶな!
あたしはもうあんたの
おもちゃじゃない!」
「雪…」
「それにあたしはもう松田愛莉じゃない!
山村雪よ!あんたなんか知らない!
それに…警察に追われてるのは
あんたでしょ!」
「愛莉…私に逆らうとは…。
あの写真がどうなってもいいのか?」
あの写真?
わいせつ写真か?
「それに、警察は私の顔を知らない」
「そうですよ愛莉さま。早くこちらへ」
迫ってくる男達から離れようと
後ろに下がっていくけど
壁にあたって行き止まり。
克樹さん!早く…!



