司暢くんの遠ざかっていく後ろ姿を穴があくほど見つめた。

うん、今日も幸せだった。

ベッドにダイブして、司暢くんと写った写真を眺める。

今までにないタイプ。

誠実で優しい。

時々見せるオオカミも、たぶんきっと好き。

·····好き、かあ。

『とうとう本気で好きになれましたか』

「なれました」

『おめでとう』

その日の夜、瀬名に電話した。

実は惚れっぽかったりしてって瀬名にバカにされたけど全然イライラしない。

こ、恋って怖い。

「人って変われんだね」

『ほんとだね〜。綺咲もちゃんと人間だった』

「日頃の恨みぶつけられてる?」

『恋愛感情抱けない子だと思ってたから。ついね』

瀬名の心配も愛だと気づいた。

ありがたや。