机に突っ伏しているヒロに心の中で語りかけて、それから1週間ほどしたある日。

この日は休日で、司暢くんの誕生日前日だった。

明日は司暢くんの家で誕生日パーティをする予定。

『バイト休み通ってよかった。明日楽しみにしてるよ』

昨日の帰り際にこんなこと言われたら最高の1日にしてあげたいじゃん?

司暢くんの好きなロールキャベツ作って、ケーキは苦手だって言ってたから、レモンパイでも作ろうと思ってて。

今日は練習しようって朝から張り切ってる私。

誕生日プレゼントだってもちろん買うつもり。

腕時計?財布?お揃いのものもいいよね。

「なーにー?そんなにウキウキしちゃって。パパに言っちゃうぞ〜」

ママにバカにされても知らんぷりできます。

私は心に余裕ができた。

よし、出かける準備OK。

「今日は帰ってくるの?」

「うん。決戦は明日だから」

「イチャイチャファイトっ!」

だから明日だって·····。

ママのガッツポーズを背に玄関を出る。