確かにどの男にもギャンギャンわめいてたけど·····。

番犬って。

「ほら、綺咲っていつもダメ男ばっかりに引っかかるじゃん?」

「いつもって·····まあ、だいたいそうだけど·····」

「犬の勘ってやつ?央睦が吠える時ってだいたいそういう男に綺咲が掴まってる時じゃん?」

「え?」

そうだっけ?

蘇る記憶の中には、私とダメ男とヒロがいて。

『そいつはダメだ別れろ!』

『ストーカーで有名だから今すぐ別れろ!』

『あいつは別に女がいるからとっとと別れろ綺咲!』

全部、当たってたんだよね。

私も別に本気じゃなかったから、別れてもいいや〜って気持ちで問い詰めたらすぐに吐いたし。

ヒロの言うこと間違ってなかったな〜。

私の人生、ヒロに救われた部分も多かれ少なかれあって。

まあ、だからって気になるとは違うけど。

落ち込んでたら助けないとって、ちょっとは思ってんだよ。

元気·····出しなよヒロ。

もう私は幸せな恋見つけたからさ。

私の番犬も卒業していいんだよ。