これがどういう感情なのか、知ってしまうのが怖かった。

司暢くんで満たされてる自分の中にヒロを入れたくなかった。

ヒロはただの幼なじみだから。

めんどくさいのがいなくなってせいせいしてる。

そうだよね?

生きてる·····よね?

気になりだしたら、気づけばヒロの教室の前を通ってた。

どこ行くにもここの前だけは通らないようにしてたのに·····。

「いる?」

「うーん·····あっ、」

いた。

生存確認·····。

寝てるしあのヤロウ·····。

心配して損したとはこのことで。

ホッと胸が撫で下りたのがわかった。

「珍しいこともあるんだね」

「え、なにが?」

「寝る間も惜しんで、綺咲に夢中って感じだったじゃん」

「そんなわけないでしょ」

「えーあるし。綺咲の番犬で有名だよ、央睦は」

なんだそれ。