八月が終わった。
今日から新学期だ。
アタシは鼻歌を歌いながら制服に着替える。
「理香子ちゃんいないと寂しいなぁ~」
紫織がアタシの背中に悲しそうにすり寄ってくる。
アタシはその頭を撫でながら笑顔で言った。
「大丈夫、今日は早退してバイト行くから」
お弁当屋さんには今日は学校があって遅れると言ってある。
紫織も同じシフトにしてもらっているので、昼過ぎからの出勤だ。
「ねぇ、理香子ちゃん」
紫織が口を開いた。
「本当に学校辞めちゃっていいの?」
それを聞いてアタシは笑った。
「ふふ、もういいの!」
だって何のために行ってるのか、分かんなくなったんだもの。
紫乃のこともパパのこともどうでもいい。
それより今は、紫織と暮らすだけの生活費を稼がないとでしょ?
退学することは昨日、先生に言った。
学校に行くのは今日だけのつもり。
後は辞めるんだから休んでてもいいだろう。
アタシはバイトで忙しいんだから。
「紫織、それじゃ行ってきます」
「うん!気をつけて!」
お互いにゆるく敬礼しあって笑う。
アタシは外へと足を踏み出した。
***
学校に着き、正式に職員室にいた先生に退学したいというむねを伝える。
職員室はなぜかあわただしくて、アタシの退学どころじゃないみたい。
退学届けの書類をいくつか出し終わり、教室へ向かう。
鼻歌を歌いながらドアを開けると…教室の入り口付近に、優衣と白鳥がいた。
「優衣、白鳥さん、退いてくれる?」
「あ、ごめんなさ―――」
なぜか優衣の目が大きく見開かれる。
アタシは笑顔のまま自分の席へ向かった。
一人の男子が怒った顔でアタシに近づいてくる。
「お前も知ってるだろ!永野が行方不明になったの…それでよく笑えるな!?」
………。
永野?
誰、それ。
アタシは鼻で笑った。
クラスメイトが皆して口をアホみたいに開けている。
それが面白かった。
「へー、そうなんだ…ふふ…ふふふふふっ!」
辺りがざわざわとしている。
くるくる変わる皆の表情がおかしくなってきた。
アタシは笑う。
「ふふっ、あはは…!あー、楽しい!」
静まり返る教室で、笑っていたのはアタシだけだった。
その後先生が来て、朝礼をした。
授業は退屈だったけど、現国の先生のカツラがずれていたことが面白かった。
紫織に話してあげよう。
中休みは紫織とメッセージアプリで話す。
『一人でお家さみしー!』
『やっぱりバイト一緒に行こう~』
『学校までの道教えて?』
そのメッセージに思わず笑みがこぼれる。
どこまでも甘えん坊で寂しがり屋で…可愛いアタシの友達。
アタシが守るべき存在―――。
学校までの詳しい道を教えて、再び授業に戻った。
昼になり、また紫織からメッセージが来た。
『校門閉まってて入れない~』
涙目のウサギのスタンプと共に送られてきた文面に笑顔で返事を打った。
『今すぐ行くから待ってて!』
アタシは席から立ち上がり、校門へと向かう。
そこには紫織がいて、アタシを見るなり大きく手を振っていた。
アタシは校門を出て、紫織に笑顔で抱きつく。
「わぉ、理香子ちゃんどうしたの~?」
「んーん、何でも!」
アタシ達は手を繋いで、最後となる学校を後にした。
今日から新学期だ。
アタシは鼻歌を歌いながら制服に着替える。
「理香子ちゃんいないと寂しいなぁ~」
紫織がアタシの背中に悲しそうにすり寄ってくる。
アタシはその頭を撫でながら笑顔で言った。
「大丈夫、今日は早退してバイト行くから」
お弁当屋さんには今日は学校があって遅れると言ってある。
紫織も同じシフトにしてもらっているので、昼過ぎからの出勤だ。
「ねぇ、理香子ちゃん」
紫織が口を開いた。
「本当に学校辞めちゃっていいの?」
それを聞いてアタシは笑った。
「ふふ、もういいの!」
だって何のために行ってるのか、分かんなくなったんだもの。
紫乃のこともパパのこともどうでもいい。
それより今は、紫織と暮らすだけの生活費を稼がないとでしょ?
退学することは昨日、先生に言った。
学校に行くのは今日だけのつもり。
後は辞めるんだから休んでてもいいだろう。
アタシはバイトで忙しいんだから。
「紫織、それじゃ行ってきます」
「うん!気をつけて!」
お互いにゆるく敬礼しあって笑う。
アタシは外へと足を踏み出した。
***
学校に着き、正式に職員室にいた先生に退学したいというむねを伝える。
職員室はなぜかあわただしくて、アタシの退学どころじゃないみたい。
退学届けの書類をいくつか出し終わり、教室へ向かう。
鼻歌を歌いながらドアを開けると…教室の入り口付近に、優衣と白鳥がいた。
「優衣、白鳥さん、退いてくれる?」
「あ、ごめんなさ―――」
なぜか優衣の目が大きく見開かれる。
アタシは笑顔のまま自分の席へ向かった。
一人の男子が怒った顔でアタシに近づいてくる。
「お前も知ってるだろ!永野が行方不明になったの…それでよく笑えるな!?」
………。
永野?
誰、それ。
アタシは鼻で笑った。
クラスメイトが皆して口をアホみたいに開けている。
それが面白かった。
「へー、そうなんだ…ふふ…ふふふふふっ!」
辺りがざわざわとしている。
くるくる変わる皆の表情がおかしくなってきた。
アタシは笑う。
「ふふっ、あはは…!あー、楽しい!」
静まり返る教室で、笑っていたのはアタシだけだった。
その後先生が来て、朝礼をした。
授業は退屈だったけど、現国の先生のカツラがずれていたことが面白かった。
紫織に話してあげよう。
中休みは紫織とメッセージアプリで話す。
『一人でお家さみしー!』
『やっぱりバイト一緒に行こう~』
『学校までの道教えて?』
そのメッセージに思わず笑みがこぼれる。
どこまでも甘えん坊で寂しがり屋で…可愛いアタシの友達。
アタシが守るべき存在―――。
学校までの詳しい道を教えて、再び授業に戻った。
昼になり、また紫織からメッセージが来た。
『校門閉まってて入れない~』
涙目のウサギのスタンプと共に送られてきた文面に笑顔で返事を打った。
『今すぐ行くから待ってて!』
アタシは席から立ち上がり、校門へと向かう。
そこには紫織がいて、アタシを見るなり大きく手を振っていた。
アタシは校門を出て、紫織に笑顔で抱きつく。
「わぉ、理香子ちゃんどうしたの~?」
「んーん、何でも!」
アタシ達は手を繋いで、最後となる学校を後にした。



