あれからアタシ達は二年生になった。
優衣に制裁を加える日々は続いている。

「ゆーい!ここまだ汚れてるよ~?」

紫乃が床に落ちたお菓子のクズを指差した。
二年生になり、久しぶりに紫乃と同じクラスになった。
勿論優衣も一緒だ。
一年の頃のクラスメイトも何人か同じ顔ぶれが集まり、一緒に優衣をこらしめている。
別々のクラスだった生徒も、最初こそ優衣をかばっていたけれど、アタシ達から理由を聞いたらすぐに手のひらを返して制裁に参加してくれた。

「……な…で、私……こんな……」

声は聞き取れなかったけれど、優衣が涙を流しているのは分かった。

でも、悪いのは優衣なのだから仕方ない。

二股なんてするあんたが悪い。

それに対してアタシ達は何も悪くない。

だってこれは制裁なのだから。
お仕置きなのだから。
罰なのだから。

アタシ達は正義なのだから。
何も悪くないんだ。



その日、優衣は早退した。