「また、理香子とクラス別々か…」
「仕方ないでしょ」
「クラスに顔だすからね?」
はいはい、と適当に返事をする。
またクラスが離れたことで、紫乃がイジメられないか…少し心配だったけれど。
同じ中学の子達はアタシ達と同じ高校を避けて受験していたからその心配もないだろう。
それに紫乃だって高校生になったんだから、あの頃よりも上手く立ち回れる筈だ。
紫乃がまたね、と手を振り自分のクラスへと去っていく。
それを見届けてアタシも自分のクラスへと向かった。
入学式が始まる。
アタシは先生に見つからないよう、コソコソと
スマホを取り出した。
ササッと操作してメッセージアプリを起動した。
『今みてる?』
すぐに既読がついた。
『見てるよ~入学式めんどい』
すぐに返事が返ってくる。
だらけた熊のスタンプ付きだ。
中学時代に友達になった派手目な女子。
名前は森島 菜々花。
彼女に聞きたいことがあった。
私は直ぐ様本題を切り出す。
『突然だけどN高校の男子と合コン、セッティングしてもらえない?』
N高校というのはこの町から少し離れた場所にある有名私立高校だ。
菜々花は中学の頃、N高校の一年生と付き合っていたと記憶していた。
『別にいいよ』
『要望とかある?』
間にOKのスタンプを挟んでメッセージが届く。
アタシは少し悩んで、返信した。
『お金持ち』
『OK~彼氏に頼んどく』
『なるべく早くお願い』
『じゃ、今週の日曜とかは?』
今日は月曜日…あと六日か。
アタシは了解のスタンプを押した。
『人数は無難に三人ずつにしとくね~詳細はまた追って伝える』
その文に思わず「三人…」と呟く。
入学式は、ハゲた校長が長々と挨拶をしている途中だった。
***
―――三人。
一人は紫乃に頼もう。
あの子はアタシの誘いを断らない。
残る一人はどうする―――?
アタシはクラスを見渡した。
式が終わり、全員教室に戻ってきている。
既に何組かグループができているみたいだった。
ふと、一人の女子が目に入った。
…話しかけるタイミングを失って、グループに入れなかったようだ。
アタシは迷わずその子に声をかけた。
「ねぇねぇ、アンタ、名前は?」
「…えっ?私…?」
「そうだよ。アタシは紺野 理香子」
「あ…私、横手 優衣…!」
「そっか、よろしくね優衣」
「よ、よろしく…紺野さん!」
「理香子でいいよ」
「う、うん!」
緊張しながらも笑顔で頷く優衣。
アタシはニコリと笑った。
顔も容姿も普通……。
この子なら、数合わせにはちょうどいい。
もうすぐ先生が来る。
アタシは最後にこう聞いた。
「ねっ、優衣って彼氏とかいるの?」
「か、彼氏なんていないよ~!」
優衣は胸の前で手を振りながら否定した。
それなら合コンに参加しても、何も問題ないよね。
「仕方ないでしょ」
「クラスに顔だすからね?」
はいはい、と適当に返事をする。
またクラスが離れたことで、紫乃がイジメられないか…少し心配だったけれど。
同じ中学の子達はアタシ達と同じ高校を避けて受験していたからその心配もないだろう。
それに紫乃だって高校生になったんだから、あの頃よりも上手く立ち回れる筈だ。
紫乃がまたね、と手を振り自分のクラスへと去っていく。
それを見届けてアタシも自分のクラスへと向かった。
入学式が始まる。
アタシは先生に見つからないよう、コソコソと
スマホを取り出した。
ササッと操作してメッセージアプリを起動した。
『今みてる?』
すぐに既読がついた。
『見てるよ~入学式めんどい』
すぐに返事が返ってくる。
だらけた熊のスタンプ付きだ。
中学時代に友達になった派手目な女子。
名前は森島 菜々花。
彼女に聞きたいことがあった。
私は直ぐ様本題を切り出す。
『突然だけどN高校の男子と合コン、セッティングしてもらえない?』
N高校というのはこの町から少し離れた場所にある有名私立高校だ。
菜々花は中学の頃、N高校の一年生と付き合っていたと記憶していた。
『別にいいよ』
『要望とかある?』
間にOKのスタンプを挟んでメッセージが届く。
アタシは少し悩んで、返信した。
『お金持ち』
『OK~彼氏に頼んどく』
『なるべく早くお願い』
『じゃ、今週の日曜とかは?』
今日は月曜日…あと六日か。
アタシは了解のスタンプを押した。
『人数は無難に三人ずつにしとくね~詳細はまた追って伝える』
その文に思わず「三人…」と呟く。
入学式は、ハゲた校長が長々と挨拶をしている途中だった。
***
―――三人。
一人は紫乃に頼もう。
あの子はアタシの誘いを断らない。
残る一人はどうする―――?
アタシはクラスを見渡した。
式が終わり、全員教室に戻ってきている。
既に何組かグループができているみたいだった。
ふと、一人の女子が目に入った。
…話しかけるタイミングを失って、グループに入れなかったようだ。
アタシは迷わずその子に声をかけた。
「ねぇねぇ、アンタ、名前は?」
「…えっ?私…?」
「そうだよ。アタシは紺野 理香子」
「あ…私、横手 優衣…!」
「そっか、よろしくね優衣」
「よ、よろしく…紺野さん!」
「理香子でいいよ」
「う、うん!」
緊張しながらも笑顔で頷く優衣。
アタシはニコリと笑った。
顔も容姿も普通……。
この子なら、数合わせにはちょうどいい。
もうすぐ先生が来る。
アタシは最後にこう聞いた。
「ねっ、優衣って彼氏とかいるの?」
「か、彼氏なんていないよ~!」
優衣は胸の前で手を振りながら否定した。
それなら合コンに参加しても、何も問題ないよね。