友達ドール


三日後。





「あ、優衣ー!おはよ!三日も休んでどうしたのよー?」

校門の前で、知らない女の子から挨拶された。
茶色いショートの髪の毛。
チラリと口から覗く八重歯…どちらも見覚えがない。
私が黙っていると、彼女はキョトンと首をかしげる。

「おーい、優衣ー?」
「優衣ちゃん待って~!」

後ろからパタパタと走ってくる音…優だ。
私はそっと優に耳打ちした。

「優…この子、誰か知ってる?」
「青谷さんだよ、私達と同じクラスなの」
「?…そうだっけ?」
「ふふ、これから思い出せばいいよ。…でも優衣ちゃんは記憶喪失なんだから、無理しないでね」

そう、私は三日前に記憶喪失になった。
なぜかお母さんと、優以外の記憶がすっぽりと抜け落ちている。
クラスメイトのことなんて顔も思い出せなかった。

そっか…この女の子は青谷さんっていうんだ。


「初めまして、横手 優衣です。よろしくね」


私は笑顔で青谷さんにそう言ったのだった。