まず向かったのは射的。
「ほい、優衣!これ取ったからあげるね!」
「わ、ありがとう…」
青谷さんは射的が上手いらしい。
箱入りの可愛いミルクキャラメルを受け取りお礼を言った。
その隣では永野君が小さな熊のぬいぐるみを落として、優にあげていた。
私と優もチャレンジしてみる…けど、射的の弾は狙った的からことごとく外れてしまった。
青谷さんと永野君が笑う。
私と優もつられて笑ってしまった。
次に向かったのは金魚すくい。
ここでは青谷さんに軍配が上がった。
黒い出目金と赤いスタンダードな金魚を二匹すくって、悔しがる永野君に見せつけていた。
他にもヨーヨー釣りや型抜き…色んな場所に行き、楽しい時間を過ごしていた。
「お腹空いたね~って…もうすぐ七時か…」
「そろそろ何か食べ物でも買おうか?」
「優衣ナイスアイデア!じゃあ私らで買ってこようよ!」
青谷さんが私の手を引っ張る。
「え?ちょ、青谷さ―――!」
引っ張られた拍子にずっと繋いでいた優の手が離れた。
「優衣ちゃん―――!」
すぐに人波にのまれていく優…その腕を永野君が取ったのを最後に、二人の姿は見えなくなった。
「ち、ちょっと離して、青谷さん!優達とはぐれちゃう―――」
「ゴメンね、それが狙いなの…!」
「―――え?」
「今日の朝のことなんだけどね…」
見ると、青谷さんはチロリと赤い下を出して申し訳なさそうにこう語りだした。
その間も前に前に足は進んでいく。
「永野からさ、連絡があったのよ!今日の花火大会で白鳥さんに告白したいから、強力してくれって!」
賑やかになってきた周りの音に負けないように青谷さんの声が大きくなっていく。
「何で私が行かないといけないの?って聞いたらさ!白鳥さんの側にはいつも優衣がいるから告白する勇気が出ない!ってさ!」
優の姿を探して後ろを振り返るけれど、人が多すぎて分からない。
「何かあいつ、切羽詰まってるような声でさ!仕方ないなって思って手伝うことにしたのね!それで頃合いを見計らって白鳥さんと優衣を離すことになったの!」
最後に一際大きな声で「ごめん!!」と叫び、ようやく私の手は開放された。
私達が来た方とは真逆に位置する、もう一つの会場入り口…。
「ね、待っててあげてよ…あいつ本当に白鳥さんのこと好きみたいなの」
「―――そう、だね」
私は言葉を振り絞った。
「分かったよ、青谷さん…でも私、一度家に帰っても良いかな?」
「え?家に?」
「うん、浴衣ってやっぱり歩きにくいし…下駄の鼻緒が擦れて痛くなっちゃって…」
「それ大変じゃん!」
「だから、花火が始まる前に着替えてきて…それで花火が終わったら、優と永野君を探しに行こうかなって…ダメかな?」
花火を見ながら告白なんてロマンチックでしょ?と言えば青谷さんは笑顔で頷いた。
「うんうん!それいいね!…じゃあ私も一度帰ろうかな~この金魚を水槽に移してあげないとだし」
「それがいいよ、じゃあまた花火が上がる頃にここで……」
「オッケー!じゃあね!」
そう言って会場を後にする青谷さん。
私はそれを見届けると、近くの雑木林へ駆け込んだ。
この雑木林から、裏山に抜けられる。
この会場は裏山に半分ほど囲まれているから。
あの人だかりを掻き分けて、来た道を戻るよりも、この裏山を近道にして、反対方向の入り口に出てから探しに行く方が効果的な捜し方だ。
きっと永野君は私が青谷さんに連れてこられた方とは逆の道を行っているだろう。
―――優を連れて。
ゴメンね青谷さん。
私はあなたほど、永野君を信じてない。
「ほい、優衣!これ取ったからあげるね!」
「わ、ありがとう…」
青谷さんは射的が上手いらしい。
箱入りの可愛いミルクキャラメルを受け取りお礼を言った。
その隣では永野君が小さな熊のぬいぐるみを落として、優にあげていた。
私と優もチャレンジしてみる…けど、射的の弾は狙った的からことごとく外れてしまった。
青谷さんと永野君が笑う。
私と優もつられて笑ってしまった。
次に向かったのは金魚すくい。
ここでは青谷さんに軍配が上がった。
黒い出目金と赤いスタンダードな金魚を二匹すくって、悔しがる永野君に見せつけていた。
他にもヨーヨー釣りや型抜き…色んな場所に行き、楽しい時間を過ごしていた。
「お腹空いたね~って…もうすぐ七時か…」
「そろそろ何か食べ物でも買おうか?」
「優衣ナイスアイデア!じゃあ私らで買ってこようよ!」
青谷さんが私の手を引っ張る。
「え?ちょ、青谷さ―――!」
引っ張られた拍子にずっと繋いでいた優の手が離れた。
「優衣ちゃん―――!」
すぐに人波にのまれていく優…その腕を永野君が取ったのを最後に、二人の姿は見えなくなった。
「ち、ちょっと離して、青谷さん!優達とはぐれちゃう―――」
「ゴメンね、それが狙いなの…!」
「―――え?」
「今日の朝のことなんだけどね…」
見ると、青谷さんはチロリと赤い下を出して申し訳なさそうにこう語りだした。
その間も前に前に足は進んでいく。
「永野からさ、連絡があったのよ!今日の花火大会で白鳥さんに告白したいから、強力してくれって!」
賑やかになってきた周りの音に負けないように青谷さんの声が大きくなっていく。
「何で私が行かないといけないの?って聞いたらさ!白鳥さんの側にはいつも優衣がいるから告白する勇気が出ない!ってさ!」
優の姿を探して後ろを振り返るけれど、人が多すぎて分からない。
「何かあいつ、切羽詰まってるような声でさ!仕方ないなって思って手伝うことにしたのね!それで頃合いを見計らって白鳥さんと優衣を離すことになったの!」
最後に一際大きな声で「ごめん!!」と叫び、ようやく私の手は開放された。
私達が来た方とは真逆に位置する、もう一つの会場入り口…。
「ね、待っててあげてよ…あいつ本当に白鳥さんのこと好きみたいなの」
「―――そう、だね」
私は言葉を振り絞った。
「分かったよ、青谷さん…でも私、一度家に帰っても良いかな?」
「え?家に?」
「うん、浴衣ってやっぱり歩きにくいし…下駄の鼻緒が擦れて痛くなっちゃって…」
「それ大変じゃん!」
「だから、花火が始まる前に着替えてきて…それで花火が終わったら、優と永野君を探しに行こうかなって…ダメかな?」
花火を見ながら告白なんてロマンチックでしょ?と言えば青谷さんは笑顔で頷いた。
「うんうん!それいいね!…じゃあ私も一度帰ろうかな~この金魚を水槽に移してあげないとだし」
「それがいいよ、じゃあまた花火が上がる頃にここで……」
「オッケー!じゃあね!」
そう言って会場を後にする青谷さん。
私はそれを見届けると、近くの雑木林へ駆け込んだ。
この雑木林から、裏山に抜けられる。
この会場は裏山に半分ほど囲まれているから。
あの人だかりを掻き分けて、来た道を戻るよりも、この裏山を近道にして、反対方向の入り口に出てから探しに行く方が効果的な捜し方だ。
きっと永野君は私が青谷さんに連れてこられた方とは逆の道を行っているだろう。
―――優を連れて。
ゴメンね青谷さん。
私はあなたほど、永野君を信じてない。



