飲み物を飲み終えて、席を立つ。
その近くに可愛い雑貨屋さんを見つけて、優と品物を眺めていた。

「このガラス玉のストラップ可愛い!」
「本当だ…青とピンクがあるんだね」

コロンとしたガラス玉の中にはラメ入りの液体ジェルが入っていて、キラキラと輝いていた。
紐の部分が青色の物とピンクの物で色分けされている。

「優、これ、お揃いで持たない?」
「…え、いいの?優衣ちゃん」
「勿論だよ!私達の友情の証にしよう」
「優衣ちゃん…!」

二人でレジに向かう。
私は青色、優はピンク色のストラップを買った。

「優衣ちゃんとお揃い…ふふ、嬉しいな」

優が幸せそうに呟く。
私もだよ、優―――そう言おうとした時だった。

「――――――っ!?」
「優衣ちゃん?」

突然、お腹に痛みを感じてその場に座り込む。
優が私に駆け寄った。
そして、心配そうに私の顔を覗き込んだ。

「どうしたの、優衣ちゃん…大丈夫?」
「お…お腹……お腹痛くて……!」
「お腹痛いの?…どうしよう、お手洗いは―――」

優が辺りを見回す。

「近場のトイレなら、あっちにあったけど」

永野君が冷静な声で奥の方を指差した。

「…ち、ちょっと行ってくるっ…!」

私は何とか立ち上がると少しふらつきながらその場所を目指して駆け出した―――。





***



あれからどのくらい経っただろう。
スマホを確認すると、一時間は経っていた。
お腹の痛みがだいぶ和らぎ、私はようやくトイレから開放される。
すると―――トイレの近く、薬局の壁にもたれた優の姿を発見した。

「優!」

声をかけて近寄る。
此方に気づくと優は笑顔で手を振った。
永野君は……いないようだ。

「お腹はもう大丈夫?痛くない?」
「うん…もう大丈夫。ゴメンね…優のこと置き去りにしちゃった…それに待たせちゃって、ごめんなさい…」
「気にしないで優衣ちゃん、私は平気だから」
「っ…ありがとう…ところで、永野君は?」

聞けば、永野君には先程のフードコートで待ってもらっているらしい。
優にも永野君にも心配かけて悪いことしちゃったな……。

―――たけど、どうして急にお腹を壊したんだろう…?

「もう帰りましょう、優衣ちゃん…まだ少し顔色が悪いわ」

優が心配している。
私は大丈夫だと伝えたかったけど、優の申し出通り、帰ることにした。

二人で来た道を戻る。

「また来ようね、優衣ちゃん」

今度は二人で。
その言葉に心が震えた。

優も、私と二人で遊びたかったんだ…。

私は笑顔で頷いた。