盗賊達も驚いていた。もちろん私も……。
まさか国王陛下は、のんきな性格だと思っていたら
とんだ策略家だった。

「ですが……すぐに来るとは」

「その心配はいらん。助けが来るまで
時間を稼いでおけばいい。
俺達で十分だろう。お前も居ることだし」

フフッと笑う陛下。それは、私が女騎士として
戦えという意味だった。
つまり私が女騎士として評価してくれた事だった。

「はい。お任せ下さい」

それは、何よりの誇りだ。
私は、騎士として戦いたいと日ごろ思っていた。
それならと短剣を数本取り出し構えた。
いつでも攻撃が出来る体勢になる。

「舐めやがって。お前らアイツらを殺せ!!」

盗賊のお頭は、私達を殺すように命令を出してきた。
一斉に剣や弓を突き出して襲ってきた。
まったく大人げないわね。一斉にだなんて。
すると陛下が私に

「アイリス。俺を守らなくていい。
お互いに支え合うんだ!
背中は、お前に預けるからな」と言ってきた。

「は、はい。」

守らなくてもいい……お互いに支え合うか。
何だか嬉しくて力が漲ってきた。
やれる……今なら!!

私は、短剣で弓を弾き返すとすぐに
攻撃に向かってきた盗賊に数本の短剣を投げた。
数本の短剣は、相手の頬や手足を切り刻んでいく。
その一瞬を狙い私は、別に取り出した両手の短剣を使い
総攻撃した。ちなみに私は、両手使いのため
一気に攻撃が出来る。

「うわぁっ!?」

「ぐわっ……」

何十人の盗賊達は、切られてどんどんと倒れていく。
すると2人がかりで私を取り抑えようとこちらに
向かってきた。私は、足を蹴り上げ宙返りをして
避ける。そして敵の肩や頭に乗りながら降りた。だが
その際に回し蹴りをして敵を数人倒した。
その後もまた跳んだり回し蹴りをしたりして
盗賊の攻撃を避けながら攻撃した。
もちろん短剣も使うが。その速さは、一瞬の事だった。