2話 天下の風高番長

風高へ転入して早1週間が経った。

「琥汰、もう風高は慣れた?」
と、クラスの幹部の来栖光|《くるすこう》
が来た。
「おう、来栖。学校生活じたいは慣れたけど、校舎に入ると知らねぇ連中に喧嘩売られるんだが。」

「それは、琥汰が鍵邑一派だからだよ。」
来栖は、黒板の前に行き新品のチョークを手に取ると何かを書き始めた。
「風高はな、だれが頂点取るか競ってんだよ。」
そう言うと来栖は黒板に書きながら説明を始める

まず、風高の今の番長が、鼓知《つつじ》一派を率いる3年の鼓知紫雨|(つつじしぐれ)
そして3年でNo.2の座にいるのが真壁一派
3年は、鼓知、真壁一派で、2つの勢力に別れている。
2年は今だに纏まらず、競っている。
まず、A組の眞木一派。
B組の結城一派。
D組の筒原一派。
そしてC組の鍵邑一派。

1年は、既に纏まっていて、柏実|《かじみね》が仕切っている。
「まぁ、ざっとこんなもんだ。3年、1年は突っかかってこないが、2年は今だに頭が決まってない故に、潰しに来るぞ。気をつけろよ。」
来栖の長い説明が終わると琥汰は、黒板を睨みつけ固まっている。
「おい、琥汰?大丈夫か?おーい」
と、目の前に手をかざしてヒラヒラとさせる。
「…俺は宍九琥汰。」
「うん。大丈夫じゃねぇな。説明理解出来てねぇ。」
来栖は笑うと琥汰の頭をポンポンすると窓の外を見る。
「おい、琥汰!運がいいな。今日は紫雨さん来てるぞ。」
見てみろよ。と言われ、琥汰は窓の外を見る。
中庭のベンチに仰向けで寝ている男を見る。
「!?」
琥汰は椅子から立ち上がると走って教室を出る。
後ろから来栖の声がするが無視だ。
ついに見つけた!
あの男を!
目元のホクロ!間違いない!あの時奴だ!

廊下を走って中庭を目指す。
「…何処だよここ!」
無駄に広いんだよ!っと文句を言う。
琥汰は中庭の場所が分からず迷子になっていた。