誰かの武器としての生き方

ミカサは冷たくそう言い、ピクピクと体を動かして逃げようとする土蜘蛛と女郎蜘蛛に銃弾を放つ。妖怪の体を貫いた銃弾は、そのまま妖怪の命を奪い取った。

「……ッ」

言葉を失うチハヤをちらりと見た後、ミカサはハクサに無線で連絡を取る。いつものようにすぐに来てくれるだろう。

「……どうして……」

チハヤの震える声に、ミカサはチハヤの方を見る。チハヤはフラフラとした足取りで土蜘蛛と女郎蜘蛛の亡骸の前に座り込み、涙をこぼし始めた。

「あなたがどうして泣くの?」

ミカサが訊ねると、チハヤは「なぜ殺したの!?」と泣きながらミカサを睨みつける。

「私は……やめてって言ったのよ!この妖怪たちはあなたを攻撃なんて最終的にはしなかった。普通に拘束すればよかったのに、どうして!!」

泣き続けるチハヤの隣にミカサも腰を落とし、ミカサはチハヤに触れようとする。しかし、その手は「やめて!!」とチハヤに拒絶された。

「私、ずっと言いたかった!どうしてこんな残酷な行いができるのか、訊きたかった。今のあなたは私たちの家族を殺したあの妖怪と同じよ!!」