誰かの武器としての生き方

ミカサは前まで「桐一葉」という刀をつけていた。この刀は重力があるが切れ味がよく、ミカサは何度も戦闘でこの刀を使用していた。

しかし、今腰にあるのは「霧氷」という刀だ。軽量だが武器としての威力は前の刀の方がいい。

「最近は刀よりも銃やナイフを使うことが多くなったから」

「そっか……」

チハヤは自分の腰にある「春眠」に触れている。その手をミカサはそっと包んだ。

「大丈夫。何があっても、私があなたを守るから」

「……ありがとう……」

真剣な目のミカサに、チハヤは微笑む。どうしてそんな顔をするのかミカサにはわからない。ただ、目の前にいる同じ運命を共にしてきた大切な人を守りたかった。ミカサにとって、チハヤは友達や親友などではないのだ。

「ねえ!少し小腹が空いてきちゃった。あそこにケーキ屋さんがあるからお茶しない?」

ニコニコ笑って言うチハヤに、ミカサは「えっ、でも……」と固まる。サボっていることがバレたら新人たちに陰で何を言われるかわからない。