誰かの武器としての生き方

チハヤを見ていたミカサは、焼きうどん定食を手にしたハクサに話しかけられる。

「はい」

ハクサはミカサの前に座る。ミカサはチハヤとお昼を食べない時には、ハクサとよく食事を食べる。話すことは大抵追っている事件のことなのだが、今日は少し違った。

「ムサシが俺のところに怒りながら飛び込んできた。君のしていることが冷酷すぎると……」

ミカサは食事の手を止める。ハクサは少し緊張したように言っていた。

「問題ありません。あれくらい厳しくないと、実際の戦いになった時に困るだけです」

「では妖怪を殺してしまうのはどう思っている?」

「人の害になるものを生かしておいていいのでしょうか?」

無表情のまま話すミカサに、ハクサは水を一口飲み、言った。

「今はまだ君にはわからないんだろう。でも、いつかわかる日が来るから……」

その後は二人は話すことなく、黙々と食事を食べ続けた。



お昼休憩の後、ミカサは腰に刀を差してチハヤと街を歩く。特殊警察の姿に子どもたちから熱い眼差しが飛んできた。しかし、ミカサは無表情のまま街を歩く。

「ミカサ、また刀を新しくしたの?」

チハヤがミカサの腰にある刀を見つめ、声をかける。ミカサは「ええ」と頷いた。

特殊警察官には、一人一本ずつ刀が与えられる。その人に合った刀をカスガが選ぶのだ。