基準値きみのキングダム




「とりあえず……、やってみる? っつっても、杏奈に測ってもらうことになるんだけど」




服飾部の部員たちのようにスムーズにはもちろんできず、いちいち首を傾げながら、深見くんの体にメジャーをあてていく。



背丈、腰丈、袖丈、股下……とまずは、測りやすいところをひと通り終えて。



もたもたしていたせいか、その頃には他クラスのひとたちの採寸は終わっていて、いつの間にか、家庭科室にふたりきりで取り残されてしまっていた。




「えっと、次はバスト……だから、腕上げてもらってもいい?」

「ん」




深見くんの真正面に立って、メジャーを胸を囲うようにぐるりと1周回す。


深見くんの身長が高いせいで、自然とつま先立ちになる。


ていうか、この姿勢って。





「……っ」