1歩目曇空


今日なんて来なくていいと、何度思ったことだろうか…。
でも、朝は必ず来る。
真っ赤な太陽を連れてあたしの目を覚ましにやってくる。

だるい身体を動かしてカーテンの隙間から覗く陽の光に鬱陶しそうな表情をして目を覚ますと、暫く天井と睨めっこをする。
再び布団を被り目を閉じてもう一度暗闇へと行く

すると、階段を勢いよく駆け上がってくる音が聞こたとと思ったら扉が勢いよく開けられた。

「りっちゃん!朝だよー!」
朝からテンション高めの母親の幸希が部屋へと入ってくる。

「ほーら、起きて学校だよ!」
「行かん。」
ボソッと言うと幸希はだーめ!と言い布団を剥ぎとると、不機嫌な顔の律花の頬を指で突くとカーテンを開いて部屋を出て行く。
 
律花は、眠たい目を擦り、ハンガーに掛かった制服に着替えてリビングへと行く。