ユエ・テルミと情報処理。

「はあ。
そういえば書類と食パンはどうなったの?」とあたし。

あたしはユンファだ。

ユエ・テルミが答える。

「それならオフィスのデバイスにコピーしていますが」

「デバイスね」

デバイスというのはPCなどのことだ。
新語らしい。

惑星オールドルナ。外交部。

「そういえば、ユエの故郷って文化保護区だよね?」「だよ。

ユエ家の石積みの街ですからね」とユエ・テルミ。

「いいなあ、とそう思った。
あたしは早くから首都に出てきたし」
「あたしも同様ですよ」

そういえば、スグリは何をしているのだろう?

あたしは近くにあるデバイスを操作。

スグリの居場所が表示される。
「スグリ何してるんだろ?」
ふと、あたしはユエ・テルミが王族であることに気づく。
草原の中の街。

聖堂での祈り。
かすかな記憶だ。

ユエ・テルミが答える。
「スグリなら雲の観察ですよ」
「雲?」
「そ。
雲というものがあることを忘れてはなりませんからね」

「ふーん。
たしかに」とあたし。
そのあと書類作業。

オフィスで仕事をするのだった。