透明螺旋の真珠。

あたしはユンファ。

「そ。
生きてきた意味」とあたし。

「何だろうな?」とオルセーヌ・オルファン。

「あたしは村から首都に出たことですかね」とスグリ。

ジャガイモ料理だ。

あたしたちは舌鼓。

「あたしが生きてきた意味はアナログ世代の長所、たとえば、緩やかさをデジタル社会にもたらすことだった、と思う」とあたし。

首都に繋がったインターネット通信網。
それを思い出す。

「けれどあたしはそこで何かの主役だったことはないとも思う」

「それは卑下し過ぎじゃないか」とオルセーヌ・オルファン。

「ううん。
そう思う。

舞台で言えば「その他大勢」でしかない」とあたし。

「大地を観てください」とスグリ。

続ける。

「この大地が遥か古い地層であることに」

とジャガイモ料理だ。

あたしたちは黙々と食べる。

一人きりで背負ってきたもの。
それをあたしは思い出していた。