・銀河の神々のたそがれ。

旧式のCD。
ユエ・テルミが覚えているのはそれだった。
寄せては返す。
古い音楽の響きだ。

たとえば旧家か。
聖堂で響く聖歌。
どこかで遠く。
そういえば、俗謡もあったはず。
それをユエは育ての親から聞き、そして育ての親もまた親から聴いたもの。
博物館の建築を思い出す。
クジラの骨が飾られてあった。
蒼天に、君もあのクジラの骨が再び君を形作る、そういう夢うつつに。
微睡み。ジュール・ヴェルヌ。街だ。
「ここは惑星オールドルナ。MGZ164年春よ」とユエはいう。