・アンノウン。
誰もいない。
そこはドーム状の地形だった。
木々が鬱蒼と赤茶色の鉄を含んだその地質の丘陵を覆っていた。
エニシダだ。
木々が呼び掛ける。
虚ろに還れ。
虚無からの再生地、G015ポイントだ。
それらを木々は囁く。

あたしはユエ・テルミ。学生兼オフィサーだ。
森を査察する。
その植林地を。
ここはオールドルナ。MGZ163年、その陽春を過ぎる。