「奈央、頭気をつけろよ」
そう言いながらヘルメットを着けた仁が奈央を呼ぶ。
「うん」
「そこ、気を付けて。」
「ありがと」
仁は奈央に手を差し出した。
奈央もヘルメットをしている。

奈央と仁は二人で自分たちの新居の建設現場に来ていた。

「思っていたよりも大きいね。」
「そうだな。一階が店舗で、二階と三階が自宅になるからな。駐車場の分もスペースがあるし。」
「楽しみ!」
「そうだな。完成したらそこから装飾をしていくのも大変だけどな。のんびりやろう。」
「うん。」
「2階のこの辺がリビングだろ?んでこっちがキッチンで、こっちが浴室。この辺がトイレで」
仁が嬉しそうに説明している。
そんな仁を奈央も笑顔で見ていた。