奈央は棚の上に並べられた写真たての中から、絃と仁、自分の写る写真を手前に出した。
その横に譜面を飾る。


それは自分が絃との過去と向き合う決意の表れでもあった。



仁がシャワーを浴び終えてリビングへ出るとそこには奈央の手料理が並べられていた。
「うまそうだな~」
「そう?食べよう。お腹すいちゃった。」
そう言って奈央がキッチンから仁に声をかける。
「そうだな。お腹すいた。何か手伝うか?」
仁もキッチンへ向かった。
「これ、運んでくれる?」
奈央が言うものをリビングへ運びながら仁は絃の写る写真が手前に並んでいることやその横に譜面があることに気が付いた。

ふと奈央を見る。