桃華(ももか)と付き合って半年が経った頃、

「あたし…、蒼生(あお)が好き…っ」

みちぽに告白された。

「ごめんな。
俺、付き合っている人がいるんだ…」

丁重に断る。

「それって…前、言ってた人?」

みちぽの言葉に、戸惑いながらも頷く。

「そう…なんだ…」

みちぽは俯く。

「…わかった」

「ごめんな?」

「大丈夫だから」

みちぽは涙を堪えているようだ。
ズキンと胸が痛む。

「じゃあ…」

みちぽに背中を向けた俺は、みちぽの、

「…なら、別れさせたらいいんじゃん」

悪魔の囁きを聞き取れずにいた‐。