「あ、ごめん、なんだった?」

夏喜はため息をつく。

「蒼生となんかあったでしょ?」

「告白、されたんだ…」

「うそ、マジ!?
なんて返事したの?」

「好きだけど、付き合えないって」

「え~?
どういう事~?」

わたしは夏喜と壬生に、お母さんの事を話した。

「根性焼きってやつ?」

「ひどい…。
それ、虐待じゃない…」

夏喜は目に涙を溜めながら、言う。

「その事、蒼生には言ったの?」

「言えない、言えるわけないよ」

「どうして?」

「だって蒼生に引かれたくない…っ!」

「蒼生は桃華を引いたり、嫌いになったりしないよ」

壬生が言う。

「まだ蒼生を好きなんでしょ?」

壬生の言葉に、わたしは頷く。