高校入学式の日、

「よし!
あれ、ちょっと短いかな?」

あたしは部屋で、スカートを折っていた。

中学校時代、すごく地味だったから、高校では変わろうとしていた。

「夏喜ちゃ~ん?
遅刻するわよ~?」

階下でママがあたしを呼んでいる。
リビングに降りると、

「ちょっと短すぎないか?」

パパが心配している。

「夏喜ちゃん、あなた、太ってるんだから、必要以上に足を出すのは止めなさい」

ママが毒を吐くが、スルー。

あたし、福原(ふくはら) 夏喜。
ママは太ってるって言ってたけど、やや太っているだけ。
いわゆるぽっちゃり。
デブじゃない。

「行ってきま~す」

「夏喜ちゃん、ご飯は?」

「いらない」

あたしは慌てて家を出た‐。